この作品は綿恋くらぶ10周年の記念作品として制作したものです。
仁多の自然を象徴する場所として「鬼の舌震」を取り上げることにしました。
鬼の舌震の特徴は巨岩とその間を流れる激流です。私たちはその中でもゴウゴウと流れる水の躍動感を表したいと思いました。
水の音が聞こえそうだと言ってもらえると大変うれしいです。
岩の部分はいままでに染めたタイコットンの風合いがその感じを出すのにちょうどよいと思い、たくさん使うことにしました。
水の部分は布の種類で感じを変えようと、新しくアメリカンコットンの水色系を購入し、長方形の幅や長さを変えることで遠近感をだそうと思いました。
水しぶきは試行錯誤の末、タオルを切って伸ばしガーゼ状にして、再度グシグシ縫い縮めるといいことが分かりました。
奥の山は木の形に切った布を重ねました。右手の山はどこもかしこも力が入ったのでは強調したい水の部分がボケてきそうなので、山の畝が出る感じのあっさりしたデザインに留めました。
■メンバーの声■
- 岩の部分は今回もT君に最終的にお願いした下絵に支えられたよね。光のあたり具合などの陰影に注意しながら配色を考え、また水でえぐられた岩の感じを出すために水の近くの岩はカーブを多用したデザインにしたんだよね。
- タイコットンばかりでは・・・と用意した別の布も、裏の方がよくて裏を使ったね。私たちにかかると布の表裏なんてどうでもいいことになるわ。
- 岩は色やデザインが決まったらドンドン宿題にて、結構早く仕上ったね。それに比べて水はほんと苦労した。2ヶ月かかったことになるよ。
- 青系の布でも切って並べてみると中には水のイメージに合わないものもあって縫っていた部分もほどいて入れ替えたよね。
- 水の流れに見立てた長方形の布も方向を少し変えることで流れが急に見えたり緩やかに見えるっていうのはおもしろい発見だったね。
- 川は布の大きさごとに少しずつ縫ってきても、合わせると隙間が出来てまた縫い足しての繰り返しで、なかなか全体が埋らなかった。
- しぶきをどうするかがやっぱり最大の難関だったね。
最初はシルクをほぐしたんだよね。色がいまいち水っぽくなくて、タオルの白でやったらバッチリだったね。タオルに行き着かなかったらどうなってたのかな。
- タオルは一番安っぽいのが一番よかったね。商店の文字の部分もほぐしてみたらあの青がいい感じを出して。
- 川の部分のしつけはほんとに気を使った。斜めだし、広いし、ここで変なことをしたら合体する時絶対うまくいかないからね。
(左右の岩・中央の川・奥の山・右手の山の5ブロックに分けてキルティングをしました。)
- はんど岩は川のほうから見ると蓋の部分ははっきりしないんだよね。でもやっぱりはんど(水がめ)に蓋は欲しいので特別にネ!
- かずらのつり橋も昔はあったんだし、私たちは風景を写実してるわけではないのだから、いいよね。
- 奥の山の感じが好きだわ。森林組合の植林がいい仕事をしてる。
(木の形にアップリケすることを私たちは森林組合の仕事と言っています。)
- 空はおばあさんの貴重な藍染め布を票白して出来ました。元の布のことはこちらヘ